中小企業向けSNS採用強化のためのインスタグラム運用改善支援事例

この記事を読んで頂きたい方

採用強化を目的としてインスタグラムを開設しSNS採用に取り組んでいるものの成果が感じられない、更新を続けることが難しい状況になっているといった状況の採用ご担当者様へ、SNS運用に関する改善支援事例を紹介します。

採用強化のためのSNS運用にお悩みのご相談内容

地方都市に本社を置く社員数500名ほどの製造業さま。技術者の新卒採用に苦戦しており、会社の存在を学生に認知してもらうための手段としてインスタグラムを開設したものの、フォロワー数やコメントが増えずコンテンツ配信を継続することも難しくなっているとのことで、SNS運用の改善方法に関するご相談を採用担当者様からいただきました。

尚、支援内容につきましては守秘義務がありますので、詳細な内容は記載せず細部をアレンジしてご紹介します。

現状把握から課題を抽出しSNS採用の基本ステップを見直し

インスタグラムアカウントを拝見しコンテンツの配信内容やプロフィール情報を確認するとともに、採用担当者様へ採用戦略の全体像ならびインスタグラムの位置づけ、コンセプト、ターゲットとなる理想的な人物像(ペルソナ)についてヒアリングをしたところ、いずれも曖昧で上司からの指示でとりあえず開設してみたとのこと。

目標設定となるKGIやKPIといった数値も設定されておらず、さまざまな課題が明確になりました。

そのためSNS採用の成功に必要な基本ステップをドキュメントにまとめ、運用改善の方向性協議から着手しました。

採用戦略の全体設計とインスタグラムの役割を明確化

「木を見て森を見ず」とならないために、採用戦略の全体設計から見直しを開始しました。

具体的には企業が求める人材像や採用ファネルの定義、求職者に対して発信すべき企業の魅力などを明確にし、コーポレートサイトや採用サイトをはじめとする他のメディアが採用戦略に最適化されているかどうかも確認しながら、統一感のあるアプローチを策定しました。

この方針のもとインスタグラムの役割は、新卒者にリーチするビジュアル重視のツールとして企業の職場環境や社内文化、仕事内容を発信し、働くイメージを自分ごと化してもらえることを目的としたSNSアカウントと位置づけました。

日常的な企業活動や社員の様子を発信することで企業のリアルな姿を伝え、求職者との距離を縮めることはもちろん、コンセプトに工夫を凝らして興味や関心を引き付けるコンテンツ企画が重要となります。

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ペルソナ設定で「誰に届けるか」を明確に

ペルソナとは、企業が採用したい理想的な人材を具体的に描いた架空の人物像です。採用担当者様に自社の文化や価値観をヒアリングし、さらに既存社員へのインタビューや競合他社の採用動向を参考に、年齢や性別、スキルセットはもちろん、生活スタイルや趣味、価値観、キャリアに対する考え方まで細かく設定することで、表面上に見えている事柄だけでなくペルソナが潜在的に感じていると思われる本音や悩みといったユーザーインサイトまで明確にしました。

これによりインスタグラムで配信するコンテンツを誰に届けるべきかが明確になります。

例えば成長志向のある新卒エンジニアをターゲットとする場合、キャリアアップや挑戦を重視したコンテンツを発信するなど、ペルソナ視点に立ったコンテンツ企画を継続して行うことが重要です。

アカウントに一貫性をもたせるコンセプト設計

ペルソナを定義することで誰に向けて情報発信するのかが明確になったあとは、アカウントに一貫性を持たせるためのコンセプト設計を見直しました。

コンセプトはアカウントの方向性を決定づけるものであり、ペルソナに向けたコンテンツ企画の重要な判断基準となります。

自社の強みや価値観などミッション、ビジョン、バリューを含めた社内情報を収集し、設定したペルソナのニーズと照らし合わせて、アカウント内でどのような世界観を構築するのかをじっくり協議し、コンセプト設計を行いました。

また一貫性をもたせる要素として、ビジュアルや表現方法に統一感を持たせるためのトーン&マナーのルールも作成し、これにより企業のブランディングと直結しペルソナの記憶に残りやすいインスタグラムアカウントを実現します。

配信コンテンツの最適化でエンゲージメントを高める

ターゲットとなる学生をペルソナで定義し、インスタグラムのコンセプトも明確にした後、どのような配信コンテンツを継続して作成していくかを協議しました。

ペルソナをもとにどのような情報を提供すれば興味・関心を持ってもらえるのかをブレストを重ね関係者とアイデア出しし、継続して配信する情報のストーリーを組み立てていくとともに、一人でも多くの求職者に見てもらえるよう、効果的なハッシュタグについても他社アカウントをリサーチしてワード選定を行っていきます。

ペルソナが求めるコンテンツ設計と社員への協力依頼

インターネット上では学生が知りたい情報に関するアンケート結果が多数公開されています。その中で、理系・文系問わず上位に挙げられている項目として「実際の仕事内容」や「社風が伝わる職場環境」「入社後のキャリアモデル」など、社内環境や働く人にフォーカスした情報が挙げられます。

これらの項目を重視しながら自社独自のコンテンツ企画を検討していきます。

しかしこの段階で多くの中小企業が悩む問題があります。それが「社員の顔出し」に対するハードルの高さです。

今やSNS上では顔出しが一般的となっており、仕事内容やキャリアモデルを紹介する際にも実際に働いてる社員が登場することが重要な要素となります。

そこでデジタルテイクオフの提案として、どのようなコンテンツを配信するのかを具体的に組み立てた上で、登場してもらいたい社員に丁寧に説明し協力を得るアプローチをとることとしました。

コンテンツ構成が全くわからない状況でインスタグラムに登場してほしいと依頼するより、どのような立ち位置で何を伝えて欲しいのかをベースとした原稿を準備し説明することで協力が得られやすくなるためです。

ビジュアル・ストーリーテリングを具体的に構成する

配信するコンテンツのビジュアルとストーリーテリングに工夫を凝らすことは、登場してもらう社員への説明にも役立ちます。

例えば社員の一日を紹介するコンテンツを企画した場合、出勤から退勤までの流れを写真や動画で紹介し、業務内容の説明やその仕事のやりがい、難しさなどを伝えてもらいます。

どの場面を撮影し静止画と動画にするのか、業務内容の説明はテキストを挿入するのか、実際に喋ってもらうのかなど細かくビジュアルとストーリーを設定していくことで、登場する社員に安心感を与えます。

どうしても顔出しを最小限にしたいという希望が出た場合は、遠目から撮影した仕事風景に音声を重ねる編集をするなど、さまざまな工夫が可能です。

このようにコンテンツ構成を具体化することで臨場感のある職場環境をビジュアル化し、ペルソナとの距離を縮めて自分ごと化してもらうことを重視したコンテンツ作りを進めました。

ハッシュタグで採用という属性を明確に

ハッシュタグは、インスタグラム内でキーワード検索が可能となったことで以前ほど重要視されなくなったと言われていますが、企業の採用に関する公式アカウントであることを明確に伝えるため、ジャンルやカテゴリに沿った属性としてハッシュタグを付けるようにしました。

ポイントとしては業界固有のハッシュタグや特定の職種・スキルに特化したハッシュタグを使用することで、投稿するコンテンツのテーマをわかりやすく伝えることができます。

また地方都市の企業であることから、地域に特化したハッシュタグの活用も地元で働きたいと考えている学生にアプローチすることができます。

このように業界、職種、地域を考慮しつつ、自社のブランディングを訴求するためにオリジナルハッシュタグも検討し、自社の社名やユニークな採用イベント名を含めたワードを考案しました。

持続可能なインスタグラム運用体制の構築

SNS採用で結果を出すためにはインスタグラムを継続して運用することが前提となります。そのためにペルソナを定義しアカウントのコンセプトを明確にして、誰にどのような情報を届けていくのかのコンテンツ設計を行ってきました。

そのうえで継続運用が可能となる社内体制を構築しておくことが重要となります。

社内のチーム体制と役割分担、投稿スケジュールならび分析と改善について、関係者にとって実行可能な体制と計画をどのように組み立てるかを紹介します。

チーム体制と役割分担の明確化

コンテンツ設計の骨格は決定したものの、配信するコンテンツを具体的に企画する必要があります。そこでチーム体制の中核となるのが『コンテンツ企画担当』です。

採用担当者様を中心とした関係メンバー3名で毎月ミーティングを設定し、コンテンツ企画を行うこととなりましたが、外部からの助言が欲しいというご要望があり、デジタルテイクオフも参加しペルソナを起点とした一貫性のあるビジュアルやメッセージを企画することになりました。

次に、コンテンツ企画内容をもとに写真や動画の撮影・編集を行う『クリエイティブ担当』については、撮影スキルやデザインの知識を持つ人材がいないためフリーランスの方を協力メンバーに加えコンテンツ作成の体制を整えました。

そして完成したコンテンツの配信を行う『SNS運用担当』は採用担当者様が担い、コメントやメッセージへの対応を含めたアカウント運用を行うことでチーム体制と役割分担を明確にしました。

このように必要な役割に対して外部リソースを組み合わせることで、関係者が実行可能だと思える体制を構築し、中小企業のSNS採用が成功する基盤を整えることができました。

KGI・KPIの設定と効率的な投稿スケジュールの作成

インスタグラムを運用するためのチーム体制と役割分担を明確にした後、SNS採用の成果を測るための目標設定が不可欠であることをデジタルテイクオフから説明し、全体のゴールとなるKGI(重要目標達成指標)を「採用応募者数10名、採用決定者数5名」と設定しました。

次にKGIを達成するための中間指標となるKPI(重要業績評価指標)を「毎月のエンゲージメント率」と「採用サイトへの流入数」で設定し、これらの数値を定期的に追跡することでKGI達成に向けての進捗状況を把握することとしました。

また効率的な投稿スケジュールを作成することも重要です。平日の昼休みや夜間、週末の午後などペルソナにリーチする可能性が高いタイミングを考慮してスケジューリングし、配信日時と配信コンテンツについては毎月のミーティングで翌月以降の計画を立てるようにしました。

このようにKGI・KPIを明確に設定し、それに基づいた投稿スケジュールを作成することで、「成果を感じられない」「更新が継続できそうにない」といった事態を防ぎ、持続可能な運用が可能となります。

運用結果の分析と改善策

インスタグラムを運用するために必要な指標や改善期間を設定し、外部リソースを含めたチーム体制で投稿スケジュールに基づき運用を開始しました。

ここからは運用経過を定期的に分析し、改善点を見つけ出すことが成功のカギとなります。

分析ポイントとしてはKPIで設定したエンゲージメント率や採用サイトへの流入数といったデータを基に改善の必要性を判断し、必要な改善策を毎月のミーティングで協議します。

エンゲージメント率はペルソナがどの程度コンテンツに興味を持っているかを測るための重要なデータです。この数値が低い場合、投稿内容がターゲット層の共感を得られていない可能性があるためコンテンツの見直しが必要となります。

またどのタイプの投稿が多くの反応を得ているのか、どの時間帯や曜日に投稿したコンテンツが効果的かを分析することで、成功パターンを見つけることができます。

このようにデータを基に継続的な改善を関係者の皆さんとともに行うことでKPIの数値を高め、最終的にKGIを達成することができました。

まとめ

今回はインスタグラムの運用改善事例を紹介しましたが、その他のSNSについても同様にペルソナ設定からアカウントのコンセプトを明確にし、配信コンテンツの設計と運用体制の構築は必要不可欠と考えます。

しかし「とりあえず始めてみよう!」という企業様は決して少なくないのではないでしょうか?

情報が溢れている時代において、ソーシャルマーケティングの難易度も高まっていると感じます。「段取り八分、仕事二分」という言葉があるように、SNS運用の段取りをお手伝いさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

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