採用戦略にWebマーケティングを融合して中小企業の人材獲得を支援
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新卒、中途採用に関わらず新たな人材獲得が難しく、採用にお困りの経営者様、採用ご担当者様、またコストや労力をかけて採用したものの、短期間で離職してしまうなど人材が定着しにくい企業様へ、Webマーケティングを活用した採用手法と人材定着のための支援事例を紹介します。
昨今の採用環境は、従来の母集団形成からというセオリーが通用しなくなりつつあります。 その要因としては、年々減少する就職者人口が挙げられますが、その他にもダイレクトリクルーティングなど新たな採用手法が定着してきており、求職者と企業の接点が多様化しているためです。
さらに母集団形成の難しさは、企業、求職者双方の採用活動の変化にも関係しています。求職者が情報収集や応募の際に、SNSや動画サイトを利用する傾向が増加しており、企業はこれらの媒体を有効活用したアプローチ方法を取り入れる必要性が増しています。
従来型の採用方法からWebマーケティングを取り入れた採用マーケティングへ、企業内だけでは対応が難しいタスクをデジタルテイクオフが伴走型で支援します。
変わる採用環境。求職者との接点が多様化
数年前までは大手求人・転職サイトを活用し、母集団形成を図ることが採用方法のセオリーでしたが、求人媒体も様々なサービス形態が増えており、ターゲット特化型の求人・転職サイトやダイレクトリクルーティングサイトなど、業界や職種に細分化された人材と効率的に接点が持てるサービスが充実しています。
それぞれの特徴を整理してみました。
大手求人・転職サイト
幅広い業界や職種の求人情報を網羅しており、求人情報の掲載数においても業界トップクラスと言えるでしょう。また求人掲載する企業数の多さを強みに、特定の領域に特化した求人サイトを展開する企業もあります。
具体的業界や職種を決めかねている求職者にとっては、様々な企業の情報をワンストップで閲覧できるサイトとして利便性が高い求人・転職サイトです。
ターゲット特化型の求人・転職サイト
業界や職種、求職者のキャリアや属性などに特化したサイトです。IT業界ではSEやプログラマーといった職種に特化した求人・転職サイトがあり、大手求人サイトと比較すると求人掲載数は劣りますが、ターゲットを絞った採用をしたい企業や希望職種や将来のキャリア形成を明確にしている求職者にとってはマッチングに適したサイトです。
ダイレクトリクルーティングサイト
サイト内に登録・掲載されている求職者の自己紹介や経歴などを閲覧し、採用担当者が自社に必要な人材と判断した求職者へ直接アプローチできるサイトです。中途採用だけでなく新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサイトもあります。
また、今すぐ転職をする予定は無いが将来的に検討したい方の登録もあり、このような転職潜在層へのアプローチを行い、中長期的に関係性を築くことで将来のリクルーティング候補を増やすことも可能です。
求人検索エンジン
Indeed(インディード)など無料で掲載が可能な求人検索エンジンは、中小企業を中心に採用コストを抑える手段の一つとして掲載が増えています。GoogleやYahoo!の検索結果で上位表示されるケースが多く、求職者が希望する勤務地近郊の求人情報が素早く収集できるため、地方の採用に強みがあると言われています。
その他求人サービス
ハローワークインターネットサービスや人材派遣・紹介予定派遣サイトなど、地域密着型や企業と求職者の間に専任担当者が入ることで、双方の希望や条件を調整するなどきめ細やかなサービスが提供できるという特徴があります。
また、人材紹介会社も業界や職種を問わず総合的なマッチングを行う企業と、特定の業界に特化して人材紹介を行う企業に分かれています。
母集団形成から1to1の採用マーケティングへ
採用競争がますます激しくなる状況において、よほど知名度が高い企業や給与が高い企業でない限り、母集団形成は厳しくなるばかりではないでしょうか?特に中小企業が取り組む採用活動は、中長期戦略のもとWebマーケティングを組み合わせた1to1の採用マーケティングをご提案しています。
デジタルテイクオフが支援する1to1採用マーケティング内容を下記に紹介します。
採用したい人物像(ペルソナ)の重要性
中小企業の採用担当者様へ採用したい人物像をヒアリングした際、「新卒の理系学生」や「20代の営業職」といったターゲットとして捉えているケースがほとんどです。
今までターゲットの設定で採用できていたという経験が、外部環境の変化に適応できていないのかもしれません。
そこで、マーケティング思考を取り入れ、ターゲットからペルソナの設定に落とし込みをすることから着手します。
ターゲットとペルソナの違いは、「理系学生」や「20代」といった実在する集団を指すターゲットを、氏名や年齢・性別、休日の過ごし方や価値観、住居エリアといった属性を細かく設定し、実在しない架空の人物像を言語化することです。
ペルソナを設定することで、一人の人物像が具現化され、いつ、どのような情報を、どの媒体を使って届ければよいかが具体的になってきます。この情報が1to1採用マーケティングを展開する上で、非常に重要となります。
ペルソナ作成の具体的支援内容
採用マーケティングにおいてのペルソナ作成支援について、具体的流れを下記にご紹介します。
<クライアント情報>
- 企業規模:売上10億円 社員数50名以下
- 業態:製造業(産業機械メーカー)
- 所在地:岡山県
フェーズ1:組織内のどの部署にどのような職種で採用したいのかを確認
まず初めにメンバーシップ雇用とジョブ型雇用について、採用担当者様あるいは経営者の方と話し合いを行います。メンバーシップ型雇用とは、職種や業務内容、勤務地などを採用時に限定せず、入社後の研修期間内で適性を見て配属先を決定する雇用方法です。
ジョブ型雇用とは、あらかじめ入社後の配属先や職務内容を明確にし、その業務に必要とする能力や経験、または適性がありそうな人を雇用する制度です。
中小企業の採用方法としてはメンバーシップ型が一般的ですが、「配属ガチャ」という言葉がネット上で飛び交う時代、これから入社しようとする企業でどの部署に配属され、どのようなスキルを身に付けキャリア形成できるのかが不明なことは求職者にとって不安でしょうし、ペルソナ作成をする上でも曖昧な人物像になりがちです。
とはいえ、いきなりメンバーシップ型からジョブ型雇用に変更するということはハードルが高くなりますので、「組織内のどの部署にどのような職種で採用したいのか」を明確にするご提案をします。
フェーズ2:ターゲットからペルソナへ 採用したい部署のメンバーからヒアリング
採用担当者様においては、ターゲット(新卒or中途、年齢層、理系or文系など)の設定は行われていますので、そこから採用したい部署と職種情報をもとに、実際にその部署内で働いている社員さんへヒアリングを行います。ヒアリング内容(一部抜粋)としましては、
- どのような人であれば、部署内で円滑に業務ができると思いますか?
- どのような人であれば、指導・育成がしやすいと思いますか?
- 部署内で大切にしている価値観やルールはありますか?
- 学生時代に専攻したもの、所属したサークルなどの情報
- 現在の仕事に対する価値観、やりがいは?
- 休日の過ごし方や趣味、好きなことや得意なこと
- 人生で望むこと
- 現在の悩み
などプライバシーに配慮しながら可能な範囲で個別にヒアリングします。
フェーズ3:トップマネジメント、ミドルマネジメント層へのヒアリング
部署内の社員さんへヒアリングを行った後、社長、役員、部門長の方へヒアリングを行います。ここでのポイントは経営理念、ビジョン、バリュー(行動指針)からどのような人材を採用したいかという質問で人物像を具体化していきます。
現在の企業風土、文化を考慮しつつ、外部環境の変化に適応するための変革を視野に入れた人物像が描かれることもあります。
フェーズ4:双方のヒアリング内容を照合してペルソナを作成
現場で働く社員さんからのヒアリング内容と経営層、部門長の方にヒアリングした内容を照らし合わせ、採用担当者様とペルソナを作成します。
ペルソナ作成の参考例はネット検索すれば多数見つかりますので割愛しますが、性格やライフスタイル、価値観、嗜好や夢といった心理的属性を踏まえて、具体的に描写することが重要です。
つまりペルソナが具体的であるほど、次の採用導線で企画するコンテンツのシナリオが具体性をもち、狙いを定めた人物像の琴線にふれる情報を届けることが可能となります。作成したペルソナを経営層の方と合意することで完成となります。
ペルソナから設計する採用導線と具体的支援事例
売り手市場が続く採用環境の中、これまでのように求人媒体への広告出稿をメインとした母集団形成から選考を行うという方法では、自社にマッチした人材を獲得することは困難になってきました。
このような環境変化に対応すべく、ペルソナを設計しWebマーケティングを取り入れた採用導線とその具体的支援事例を紹介します。
採用導線を設計する採用ファネル
設定したペルソナをもとに、就職・転職潜在層の志望度を着実に高め、応募から採用、そして定着へとつづく採用導線を設計するための採用ファネルを作成します。
各フェーズの具体策は企業ごとに異なりますが、採用担当者様と協議し実行可能な施策を当てはめることで、いつ、誰が、何を、どのように行うのか、全体のタスクとスケジュールを可視化し、社内で対応可能な施策とデジタルテイクオフにて支援する施策・人的リソースを割り当てます。
①メディアミックスを駆使した認知・興味フェーズ
まずは企業の存在と求人を行っていることを認知してもらい、それと同時に興味を持ってもらうことが大前提となります。
そのためには、テレビやラジオ、新聞、雑誌などの従来型メディアと、採用サイトやブログ、SNSなどのインターネットメディアを活用し、求職者との接点となる媒体を増やしていくと同時に、合同企業説明会やダイレクトリクルーティングなど直接求職者へアプローチする方法も取り入れながら認知度を高めていきます。
ここで重要なポイントは、各メディアで配信されるコンテンツは一貫してペルソナをもとに企画、制作された内容であることです。
例えば、ペルソナ内の仕事に対する価値観において、「ワークライフバランスを重視し、仕事とプライベートのメリハリをつけるため、仕事では常に生産性を心掛け、プライベートにおいても自分の趣味と家族や友人に費やす時間の配分を計画的に行う」と設定されている場合、社内で取り組んでいる働き方改革の内容や、先輩社員の充実したプライベートの過ごし方を紹介するなど、コンテンツ企画内容や文脈が明確になります。
②パーソナライズしたアプローチによる理解フェーズ
メディアで企業を知り、興味を持った求職者は必ずコーポレートサイトや採用サイトへアクセスします。インターネット上の行動プロセスを表現したAISAS(アイサス)という言葉がありますが、AはAttention(注意・注目)、IはInterest(興味・関心)、その次のSはSearch(検索)となります。
コーポレートサイトにアクセスする目的としては、会社の規模や事業内容の把握はもちろんですが、企業理念やビジョンに共感できるか、SDGsへの取り組みを行っているかなども重要な共感要素となります。
そして、具体的仕事内容については、募集職種ごとにパーソナライズした先輩社員のインタビューなどのコンテンツを充実させ、求職者が自分ごととしてイメージできる情報を掲載しておくことが重要です。
ここでも、ペルソナをもとにしたコンテンツ設計が要諦となりますが、ペルソナ設定時に部署内の社員さんからヒアリングを行っていますので、先輩社員インタビュー内容との整合性が図れます。
各種メディアで発信した情報とコーポレートサイトや採用サイト内のコンテンツがペルソナを基準とした一貫性のある内容となるよう、必要に応じてコーポレートサイト、採用サイトのコンテンツ企画やリニューアルをデジタルテイクオフにて支援します。
関連支援事例
<コンテンツマーケティングを重視したWebサイト制作手法とメリット>
コーポレートサイトや採用サイトのコンテンツはペルソナに向けた一貫性のあるコンテンツが重要となります。SDGsの取り組みや先輩社員インタビュー、充実した福利厚生をペルソナ目線でコンテンツ企画するために、コンテンツマーケティングの重要性にフォーカスしたWebサイト制作手法とそのメリットを紹介します。
③求職者に魅力を感じてもらう検討フェーズ
Webサイトの充実したコンテンツで企業を理解したタイミングで、お問い合わせやエントリーとなるケースもありますが、あくまでも検討段階であることは間違いありません。
複数の企業を検討する中で、自社への入社希望動機を高めるために、さらには内定辞退や入社後の離職率を下げることまで考えた対応策を実施します。その重要なポイントがLINEアカウントで繋がることです。
企業の公式LINEアカウントを立ち上げ求職者にフォローしてもらうためには、直接お会いする場を設ける必要があります。その方法としてWeb説明会や会社見学会などのイベントを随時開催し、面談の機会を作ります。
しかし、イベントへの参加者数を増やしLINEアカウントをフォローしてもらうためには、それなりの工夫が必要です。ここでもペルソナにもとづいた企画を徹底します。
採用したい部署内の社員さんからヒアリングした内容では、マンガ・アニメ好きな社員が多く、ペルソナ内の休日の過ごし方という項目には、マンガ好きで新作マンガの情報チェックやネットフリックスでアニメ鑑賞がライフワークの一つといった設定がありました。
また、キャラクターが発する印象的な言葉で社内コミュニケーションを図るケースもあるとのことで、この点をピックアップしイベントプログラムの一コマに、「マンガ好き社員が集まる座談会」と題し、好きなマンガのキャラクターで同僚を紹介したり、チームワークの良さを説明するといった内容で参加者と盛り上がりました。
このような仕事に関すること+αの双方向コミュニケーションを取り入れることで、その場で企業の公式LINEアカウントをフォローしてもらうことに繋がったのです。
中小企業の採用導線においては、このような尖った企画も必要だと改めて感じた事例です。
④LINEを活用した1to1の応募・面接フェーズ
ペルソナにもとづいた一貫性のあるコンテンツ配信と各種イベントで企業の魅力を訴求しながら、LINEで繋がった求職者の方へ継続的フォローを行う情報提供を行い応募・面接へ誘導します。
継続的フォローで配信する情報は、更新したブログのURLやSNSの情報に加え、YouTubeへアップする動画コンテンツも含みます。最近は便利な動画編集ツールが多数ありますので、社内での業務風景やバーベキューなどのコミュニケーションイベントなど、スマートフォンで撮影した動画を短く編集し、YouTubeの公式アカウントへアップしていきます。
これらの情報をLINEで繋がった求職者の方へ1to1で配信をすることで、「私たちは常にあなたを気にしています」というメッセージを伝えるのです。1to1で配信できるメリットとして、個別に配信する情報を選定しAさんにはこの動画を、BさんにはこのブログURLが役に立つのではといった配信ができることです。
このようなフォローを行う中で、応募方法の案内やWebでのオンライン面接も可能であることを案内し、自社に好意的な求職者の応募を獲得し面接を行いました。
⑤ペルソナを基準とした一貫性のある選考・内定フェーズ
面接を行った求職者の中から選考し内定を出す重要フェーズです。これまでの採用導線において、ペルソナにもとづいた人材との面接が行えたと思いますが、選考を検討する中で改めてペルソナの設定に立ち返り、採用担当者様ならび面接を担当された方を中心に複数名で検討します。
ここでの判断が、入社後のミスマッチや早期退職に影響する可能性が大きいと考えますので慎重に検討することをおすすめします。
⑥1to1のフォローアップで確実にする内定承諾・入社フェーズ
慎重に検討し内定を伝えたからといって油断は禁物です。内定者には他社からも内定通知が届いているかもしれませんし、ダイレクトリクルーティングのオファーが届くかもしれません。内定承諾から入社を確実にするためにも、引き続きLINEを使った1to1のフォローを行います。
フォロー内容としては、応募・面接フェーズで行っているSNSやブログの更新情報に加え、入社に際し気になる点や不安材料が無いか、きめ細かくフォローを行います。
入社までの期間で、双方向のコミュニケーションを継続して図ることで双方の安心感が高まり、内定辞退のリスク回避に繋がります。
⑦入社前と入社後のギャップを無くす社員定着フェーズ
無事に新入社員を迎えいれることができ、ここからは社員育成・定着フェーズとなります。
入社初期段階では社員研修を行う企業がほとんどですが、研修内容の注意点として入社までに伝えいていた情報と入社後に伝える情報に矛盾があってはいけません。
ペルソナにもとづき配信したSNSやブログの記事内容、動画コンテンツなどと実際の社内風土や仕事内容にギャップがあれば、新入社員は不信感を抱き働くことへのモチベーションが低下する危険性が高まります。
ペルソナを設定するプロセスにおいて、採用したい部署の現場社員さんからヒアリングした内容と、経営層・部門長の方からヒアリングした欲しい人材像を常に振り返りながら、社員育成を行っていくことが重要だと考えます。
まとめ
従来型の大手求人・転職サイトを活用した採用手法では、基本的に1年単位で採用活動を行うスケジュールになりがちです。
しかし、Webマーケティングを組み合わせた採用マーケティングは中長期的な戦略として採用導線を設計し、就職・転職顕在層だけでなく潜在層との接点も重要視して実行する施策となります。
具体的にはテレビやラジオは一時的な情報発信となりますが、ブログやSNSなどはコンテンツが蓄積されていき、インターネット上で常に閲覧可能となることから、求職顕在層だけでなく、将来転職を検討する可能性がある求職潜在層にも企業を認知してもらい、継続的に情報発信することで、中長期的観点から求職見込み人材へ企業を認知してもらい、興味を持ってもらうことが可能になります。
デジタルテイクオフでは、ペルソナの設定から採用導線内のSNS運営やブログ記事作成代行、Webサイトのリニューアルなど採用戦略の全体設計とともにWebマーケティングを融合した採用マーケティングを支援いたします。
Webマーケティング支援内容
Webマーケティングの戦略を検討する際、ただWeb領域のみの情報で立案することは行わず、貴社の経営戦略、事業戦略、特徴や強みといったビジネスに関するヒアリングを重視し、貴社を取り巻く外部環境を含め多角的な視点から必要かつ効果的なWebマーケティング戦略と戦術を立案しご提案いたします。
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