Webマーケティングの3つの障壁を外部支援で打開する支援事例
この記事を読んで頂きたい方
Webマーケティングに取り組みたいが、社内の人的リソースが不足し着手できていない経営者様、ご担当者様。また専任の人材獲得に苦戦されている企業様へ、このような状況を打開する方法とデジタルテイクオフの伴走型支援による具体的取り組み事例を紹介します。
コンテンツ
Webマーケティングに立ちはだかる3つの障壁
これまで中小企業様を中心に200社以上のWebマーケティング支援に携わってきましたが、ほとんどの企業に共通する課題として「Webの知識・経験を持った人材の不足」が挙がります。
Webマーケティングには、戦略の立案から目標計画や実行プランの策定、WebサイトやSNSの運用など様々なタスクがありますが、すべて人が関わり推進していくこととなります。
また、マーケティングオートメーションやChatGPTといった生成AIを活用することで、業務の効率化、生産性の向上が図れるといえども、このようなデジタル変革の情報収集を行い理解・活用することは容易ではなく、新しいテクノロジーやトレンドへの対応が難しい状況があるのではないでしょうか?
①社内の人的リソース不足
多くの中小企業では、Webマーケティングに関する専門知識を持つ社員が在籍しておらず、営業職や人事・総務担当者が本業と兼任するケースが多く見受けられます。
このような場合、どうしても本業のタスクを優先してしまう傾向にあり、WebサイトやSNSの更新頻度が下がり成果を出すことが難しくなります。
実際に兼任されている担当者様から、いつ、どのような施策を、どれだけの予算を投じて誰が行うのかといった年間を通した実行プランを拝見することはほぼありません。
このように具体的計画が無いということは責任や役割が曖昧になっており、上司の方も自部署の業務を優先したいがためWebマーケティング業務に期待する成果は不明確になりがちです。
②新規採用にかかる投資額の高さ
本腰を入れてWebマーケティングに取り組むために、専門知識と実務経験を持つ人材を採用しようとしてもハードルが高い現状があります。
採用フェーズにおいては転職サイトへの掲載や求人広告の出稿、またダイレクトリクルーティングを活用するなど、数百万単位での初期投資が必要になります。
そして希望にマッチした人材を採用した後は、当然のことながら給与や社会保険といった人件費が発生します。
ちなみにWebマーケティングの実務経験を持つ人材の平均給与目安は、ボーナスを含め年収600万円前後と言われています。また採用面接や選考においてWebマーケティングのスキルや経験を図る尺度を持つ人材がいない中小企業において、採用判断をすること自体が難しく、このような投資をすることにリスクを感じる経営者の方が多いのではないでしょうか。
③Webマーケター採用は難易度が高い
中小企業がWebマーケティングの分野で実績、経験を持つスペシャリストを採用することの難しさは、前述しました投資額の高さだけでなく人材市場競争の激しさもあります。
Webマーケティングの分野は急速に成長しており、その需要も高まっています。そのため優れたスキルと実績を持つWebマーケターは多くの企業からオファーがあり、求人市場は非常に高い競争レベルにあります。
また、Web業界で働く人材によくある傾向として、職場環境の柔軟性や成果主義に重きを置くことがあります。具体的にはテレワークやフレックス制度、チームマネジメントを効率化するグループウェアやSFAツールの活用、成果主義においては既存組織の給与体系や年次昇給の金額とは異なる評価制度で対応しなければ、従来型の働き方や給与体系に固執している企業では、Web業界経験者を引き寄せ継続雇用することが難しいケースがあります。
3つの障壁を打開する発想の転換
では、このようなWebマーケティングを実践するための障壁をどのように乗り越えればよいのか、そこには「社内人材による実践」から「外部支援との共創」へと発想の転換が必要となります。
社内運用から外部支援活用への転換と注意点
Webマーケティングに取り組むために、社内の人的リソースだけでは持続性が保てず、成果に結びつくことが難しいと判断した場合、外部パートナーとの共創を検討されることをおすすめします。
今やWebマーケティング支援会社は多数あり、大手企業を中心に支援する企業から中小企業をメインに伴走型支援を行う企業までさまざま存在します。
このような企業は東京一極集中している傾向はありますが、コロナ禍で急速に広まったオンラインミーティングツールを活用することで、場所や距離を気にすることなく充実した支援を受けることが可能となりました。
しかし、外部パートナー企業の支援を受ける際、成果を出すために検討すべきポイントがいくつかあります。
①業務の丸投げを避ける
自社の内部環境、外部環境を一番理解しているのは社内の人材です。外部パートナーの支援内容が幅広く充実していようとも、必要な業務を丸投げすることは避けるべきです。
双方が担う役割を明確にし、当事者意識を持ったうえで積極的に関与しながら連携を深めることが重要です。
②社内へのノウハウ蓄積を重視する
業務へ積極的に関与することで単なる業務委託だけでなく、外部パートナーが持つスキルやノウハウを社内に蓄積することが可能となります。
定期的なオンラインミーティングを通じて、社内の担当者がWebマーケティングのスキルや知識を吸収し、将来的には自走できるようにすることが望ましいと考えます。
③目指すゴールと戦略を共通認識する
Webマーケティング領域のみの業務にフォーカスして支援を受ける場合、その目的やゴール、戦略が曖昧になり目先のタスクをこなすことが目的となってしまうリスクがあります。
どのような支援を受けるにしても、大上段にある目的やゴール、戦略を外部パートナーと共有したうえで、その達成に向けた手段はどうあるべきかという視点でWebマーケティング支援を受けることが重要です。
外部支援を活用するメリット
Webマーケティングを着実に実行し成果を創出するために必要な選択肢として、外部パートナーからの支援を取り入れ共創することをご説明してきましたが、次に外部支援を活用するメリットを紹介します。
①日々進化する専門知識と経験に基づくノウハウが得られる
Webマーケティング領域にはさまざまな手法があります。SEO対策、コンテンツマーケティング、SNSを活用したソーシャルマーケティングなど事業内容や戦略によってどの手法を取り入れるか、その優先順位と選択が変わってきます。
しかし、これらの手法は日々進化しており、最新のトレンドや専門知識を常に情報収集することは容易ではありません。外部パートナーは豊富な経験を持つ専門家がいますので、専門領域の情報やノウハウの提供を受けることで迅速かつ効果的なマーケティング戦略を策定し、実行することが可能となります。
②不足する人的リソースを確保
自社内で実行可能なタスクと人的リソース不足により着手できないタスクを明確にし、外部パートナーから必要なリソース支援を受けることでWebマーケティングが実行可能となります。
また、支援にかかる経費は固定費ではなく変動費となるため、柔軟な予算管理ができ難易度の高いWebマーケティング経験者の採用にかかるコストを捻出せずとも、スピーディーに着手できます。
急速に変化するデジタル環境に適応するためにはこのような柔軟性が必要であり、外部パートナーと連携してWebマーケティングに取り組む企業は増加傾向にあります。
③戦略的なパートナーシップの構築が可能
単なる業務委託ではなく、Webマーケティングに取り組む目的と目標を共有し戦略の立案から支援してくれる外部パートナーを選ぶことで、戦略的なパートナーシップの構築が可能となります。
このような関係性を築くことで社内へのノウハウが蓄積され、将来的に自走可能な組織作りを目指すこともできます。他力本願にならず外部パートナーとワンチームとして協力し合い、戦略や目標を共有することで透明性とコミュニケーションを大切にしながら社内の成長を促進できる連携が可能となります。
伴走型Webマーケティング支援でリード獲得件数が5倍に
外部パートナーの支援を取り入れWebマーケティングを着実に実行していく事例として、クライアント企業様の課題に対しデジタルテイクオフがどのような支援を行い成果に結びつけているのか、具体的支援事例を紹介します。
Webサイトからのリード獲得が伸び悩み、どのような手を打つべきかお悩みの企業様からご相談をいただき、現状分析から戦略/戦術立案を行い抜本的WebサイトリニューアルによりBtoBマーケティング強化に至りました。
詳細なヒアリングによる現状分析
まずはご相談いただいた担当者様の目線、把握している範囲で、現状についてヒアリングを行ったところ、下記の情報を得ることができました。(一部抜粋)
①Webサイトの状況について
4年前にリニューアルし、CMSを導入することで社内更新可能な環境となり、お知らせ記事の更新はもちろんのこと、更新コンテンツを増やすため品質への取り組みや社員教育の実施内容などブログ記事を継続して執筆、公開している状況。
しかしアクセス数は前年対比110%前後の伸びで、ターゲットからの問い合わせ件数は伸び悩み、ブログを執筆するモチベーションが下がってきている。
②Webサイトへのアクセス詳細について
アクセス解析ツールGA4を導入しており定点観測しているが、ユーザー数やセッション数、ユーザー属性など基本的な数値のみを時系列に比較しているのみで、イベントの詳細やコンバージョンに至る過程の可視化、ユーザーの行動分析などは行っていない。
その理由としてはGA4の操作方法が複雑で十分に理解できていないことが原因。
③外部環境の変化、競合他社の状況について
円安による資材高騰や国内需要が縮小傾向にあり、競合他社との競争が激しくなっている。受注生産によるオーダーメイドで製造する製品が中心のため、付加価値を含めた利益確保が必要だが価格競争が激しくなる中において利益率が下がりつつある。
また、競合他社においてはWebサイトの更新のみならずWeb広告を行っており、自社においても効果的なWebマーケティング施策の必要性を感じている。
④Web広告やメールマーケティングなどの実施状況について
4年前にWebサイトリニューアルを行った直後にGoogle広告を半年程度実施。広告予算は月額10万円。アクセス数は伸びたがコンバージョン件数が少なく継続は厳しいと判断。
その後、Webサイト内のブログ記事更新を中心にコンテンツマーケティングを行っている。
支援した現状分析内容について
ヒアリング内容をもとに、Webサイトのアクセス解析と競合分析を実施。
アクセス解析については、GA4とGoogleサーチコンソールのデータをもとに、仮説を立てたターゲットユーザーの検索キーワードと検索結果の状況を可視化するとともに、Webサイトへ流入したユーザーの行動を把握。
また、検索キーワードの検索結果で表示される競合他社とのコンテンツ分析を行い、SEOの観点と差別化要素からコンテンツ比較を実施。これらの分析結果から、検索キーワードに対するページの検索結果が上位表示されておらず、一部上位表示されているページにおいてもコンテンツ改善の必要性があることが判明。
Webマーケティング支援内容
現在の状況や過去に行なった施策などを含め貴社の課題(お悩み事)をヒアリングし、現状分析を行う上で必要な重要項目を抽出し、数値をもとに問題点と改善策をご提案いたします。
経営戦略から落とし込むWebマーケティングの戦略/戦術立案
ご担当者様の実務を中心に現状分析した後は経営戦略のヒアリングを実施。経営層の方が考えている戦略が漏れなく現場担当者へ共有されているとは限らない為、こちらからヒアリングしたい項目を列挙し、ご担当者様から経営層の方へ社内ヒアリングを行っていただき下記の回答を得ました。(一部抜粋)
①自社の強みと弱み、今後の成長戦略について
・強み
設立から50年で培ったオーダーメイドの受注生産案件に対する設計ノウハウと製造技術には自信があり、熟練技術者から若手技術者への継承環境も整ってきた。
・弱み
営業、設計、製造といった部署間の情報連携がアナログ式であり、製造ラインにおいて効率化が図れていないため価格競争に弱点あり。抜本的な組織の在り方を検討しデジタルトランスフォーメーションを推進したいが着手のタイミングと方法に迷っている。
・今後の成長戦略
コアコンピタンスを明確にし、競合他社では対応が難しい特殊案件の市場で高付加価値な案件を受注し、非価格競争に持ち込む。
②成長戦略の柱となる事業内容
現在の事業が柱となるがコアコンピタンスを明確にすることで業界内のポジショニングを変えていきたい。それによりターゲット顧客も変わってくるため企業のブランディング再構築を図り、顧客からどのような企業と認識してもらうかを定義していく。
これにより社員もどのような技術を磨いていくのかが明確になり、採用においてはどのような人材が必要か、また就活者からみれば入社後の仕事内容やキャリア形成がイメージでき雇用のミスマッチを防ぐ要因となる。
③競合他社との差別化要因
特殊案件の市場で高付加価値な案件に対応可能な設計、製造技術を差別化要因とし、過去の実績から訴求可能な案件を選別しアピールしたい。
また、設計ノウハウや製造工程を可能な範囲で可視化し、実績の根拠を伝えることで見込み顧客に安心感、期待感を持ってもらえるようなコンテンツを制作したい。
④求める顧客、どのような顧客との取引を望むか
価格だけではなく価値に対して発注先を選定する企業と取引をしたい。その価値とは業界内で設備さえあれば製造可能な案件ではなく、複数社に相談したが難易度が高く断られるような要望であり、実績と経験がない企業に発注するのは不安がある案件を持っている顧客。
支援したWebマーケティング戦略/戦術立案について
担当者ならび経営層の方からヒアリングを行った内容をもとに、Webマーケティング戦略は「コアコンピタンスを可視化し企業イメージのリブランディング」とし、現在のオウンドメディアを全て見直していくこととしました。
Webマーケティング支援内容
Webマーケティングの戦略を検討する際、ただWeb領域のみの情報で立案することは行わず、貴社の経営戦略、事業戦略、特徴や強みといったビジネスに関するヒアリングを重視し、貴社を取り巻く外部環境を含め多角的な視点から必要かつ効果的なWebマーケティング戦略と戦術を立案しご提案いたします。
コンテンツ設計の再構築によるWebサイトリニューアル
オウンドメディアの見直しについて、最優先で着手したのはWebサイトリニューアル。
どのような案件にも対応可能なオールラウンド的なコンテンツから、特殊案件に対応可能な設計ノウハウと製造技術をメインコンテンツとし、選別した過去の実績をアピールするWebサイトを設計。さらには多品種少量生産に対応可能な製造ラインの紹介を含め、各ページのコンテンツを企画。
コンテンツ企画において特に注力した点は、特殊案件の製品事例。具体的サイズやどの部分に特殊な技術が必要となるのかなど、イメージ画像を組み合わせ詳細に紹介することで、文章内にターゲット顧客が検索すると想定したキーワードを含めることができ、専門性、信頼性を含めたコンテンツを作成。
また、製造に携わった技術者の紹介ならび製造過程における難易度などをコメント掲載し、技術者目線からの情報提供も充実させました。
このようにWebマーケティング戦略からWebサイトコンセプトを定義し、一貫性のあるコンテンツ設計を行うことで、特殊案件に強いという企業イメージを訴求することができ、従来の取引顧客とは異なる顧客層へのアプローチとリード獲得に成功しました。
関連支援事例
<コンテンツマーケティングを重視したWebサイト制作手法とメリット>
Webサイトのコンテンツは戦略から落とし込んだサイトコンセプトに基づき、一貫性のあるコンテンツ制作が重要となります。そのうえで信頼性、権威性、専門性、経験といったSEO評価軸を意識し、サイト訪問者に役立つコンテンツマーケティングの重要性にフォーカスしたWebサイト制作手法とそのメリットを紹介します。
コンテンツマーケティングとWeb広告によるリード獲得
コアコンピタンスを明確にし、その詳細内容をコンテンツ化することでお問い合わせ内容とターゲット顧客の一致を確認後、引き続きコンテンツマーケティング強化を図るため、実績の追加掲載や技術者の更なるスキルアップを行う取り組みなどのコンテンツを継続して作成。
また、いきなり具体的お問い合わせや商談へのハードルが高いと感じるお客様には、オンラインリモート打ち合わせの機会を提供し、特殊仕様に関する事前の情報共有や対応可否について気軽に会話ができるよう、顧客接点の段階設計を行うことで見込客の創出にもつながりました。
更には、このようにコンテンツマーケティングの内容がターゲット顧客とマッチしていることを前提にWeb広告を展開。これまでのアクセス内容によって、どのようなキーワードで自社サイトに流入しているのかを把握する検索クエリのデータをもとに、広告キーワードを設定し、競合他社とは異なるポジションでWebマーケティングを展開することで、リニューアル前のWebサイトと比較して5倍のリード獲得に成功しました。
まとめ
Webマーケティングを継続的に実施し成果に結びつけるために、外部パートナーからの支援をどのように取り入れるかをご検討してみてはいかがでしょうか?
決して他力本願や業務の丸投げを行わず、目的、目標を共有しどのようなパートナーシップを構築可能かを協議し、必要なリソースを素早く確保することでスピーディーかつ持続性を得ることができます。
現状の課題や悩みごと、Webマーケティングで取り組みたい内容などお気軽にお問い合わせください。オンライン無料相談を受付しております。
Webマーケティング支援に関して、
どのような依頼をすればいいのかお悩みの方へ
オンライン無料相談受付中
- Webマーケティングで取り組みたい内容
- 現状の課題、お悩みごと
- 貴社のご要望
- 弊社サービス内容へのご質問
などお聞かせください。