採用マーケティングにショート動画が有効な理由とアイデアネタ10選

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採用マーケティングに取り組む上で、就活生との接点作りに動画制作と配信の必要性は感じているものの、どのような動画コンテンツを制作すればよいのか、コンテンツネタでお悩みのご担当者さまへ、デジタルテイクオフの伴走型支援の中で考えた動画コンテンツのアイデアを紹介します。

ショート動画が効果的な背景と理由

国内のインターネット広告費が初めてテレビの広告費を上回った2019年、広告は「時代を映す鏡」と言われるようにまさしくメディアの転換点となりました。

2023年5月に総務省が発表した「通信利用動向調査」によると、インターネットの利用者層は老若男女問わず拡大しており、20代では98.6%、70代でも65.5%が利用しています。

さらに、利用者構成比に注目すると「スマホのみ」が59%と最も多く、前回調査の56%より増加しています。私たちが日々情報に触れる接点のメインデバイスがスマホになっていることは間違いありません。

このような背景のもと、採用マーケティングにおいてなぜショート動画が効果的なのか、その理由を紐解いてみます。

変化しつづける動画コンテンツ

Googleが2006年に動画投稿サイトYouTubeを買収し、動画コンテンツが一大市場へと加速しました。当初はDIYやVlog(ブログの動画版)コンテンツが主流でしたが、さまざまなクリエイターが独自のコンテンツを制作、配信しユーチューバーという職業は一躍有名になりました。

その後、インスタグラムがショート動画やストーリー形式を導入し、インスタグラマーと視聴者の双方向なコミュニティが形成されています。

さらにはTikTokが瞬時の創造性とエンゲージメントを提供し、新たなコンテンツのトレンドを生み出しています。そしてこれらのプラットフォームは個人としてのクリエイターが自ら撮影・編集・配信を行い、短時間で動画コンテンツを発信可能にしているのです。

動画コンテンツと就活生の相性

動画コンテンツは就活生との相性が良いと言われています。その理由として、就活生は視聴を通じて企業の職場雰囲気や風土をリアルに感じ、自分の適性や志向にあった企業を判断する上で効果的なコンテンツと捉えています。

また、昨今は若い世代でタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向があります。

SEOの観点から言えば就活生の琴線にふれ、知りたい情報が網羅されている文章コンテンツも重要ですが、1分間の動画で伝えられる情報を文字数に換算すると360万~400万字程度という研究結果もあり、動画はタイパに優れたコンテンツでもあります。

さらには、企業が積極的に動画コンテンツを配信している姿勢は、就活生から見れば先進的でアクティブな企業イメージと捉えられます。

自社の取り組みや社員が紹介する仕事内容など、その企業ならではのオリジナル動画を継続して発信することで、企業と就活生のマッチングがより的確かつ効果的に進みます。

自分ごと化できる動画コンテンツ

インスタグラムやTikTokにおいて、沢山のフォロワー数を獲得しているクリエイターに共通しているポイントの一つとして、視聴者が自分ごと化できるコンテンツを配信していることが挙げられます。

採用マーケティングにおける動画コンテンツにおいても、就活生や転職希望者が自分ごと化して視聴できることは重要なポイントです。

例えば、仕事内容の紹介について、文字と画像で紹介するコンテンツはWebサイト内に存在しますが、さらに動画によって社員の仕事風景や周囲とのコミュニケーションの取り方といった働いている姿と、成功体験エピソードや仕事のやりがい、あるいは就職活動中の心境などのメッセージを組み合わせて動画コンテンツとして発信することで、就活生が入社後の自分の姿をイメージしやすくなります。

就活生や転職希望者が企業の一員として参加しているかのような感覚を生み出す効果が、動画コンテンツには備わっています。

ショート動画は社内制作も可能

動画制作となれば、専門の制作会社へ依頼しなければクオリティの高いものは作れないと思いがちです。確かに会社紹介動画など、コーポレートブランドを含め企業を総括して紹介する動画制作は専門会社へ依頼したほうがよいと思います。

しかし、採用マーケティングを展開する上で、継続的にコンテンツを発信していく前提においては、全ての動画制作をアウトソーシングしてしまえば相当な費用がかかります。

今一度、お手元のスマホ内にあるインスタグラムやTikTokアプリを起動してみてください。たくさんのクリエイターが自ら制作したショート動画を日常的に発信していることが分かります。またこれらのコンテンツを就活生は見慣れています。

スマートフォンのテクノロジーが日々進化し、高度なカメラ機能や動画編集機能の普及により、誰もが手軽にクオリティの高い動画を制作できるようになった今、動画コンセプトやストーリー構成をしっかり固めれば、制作のハードルは決して高くないのです。

貴社内にもTikTokerがいるかもしれません。その人材のスキルを社内業務に活かしてもらってはいかがでしょうか。

採用マーケティングで活用できるショート動画アイデアネタ10選

では、具体的にどのような動画コンテンツを制作し配信すればよいのか、中小企業様を中心に採用マーケティング支援を行う中で、コンテンツのネタ作りに戸惑い、なかなか着手できない企業様や着手したものの継続できず、5件程度の動画制作でネタ切れになってしまうケースがあります。

そのような場合にデジタルテイクオフが企画し、ご提案したショート動画アイデアを紹介します。動画コンセプト企画からストーリー構成作りまでの上流工程を支援することで、さまざまな動画を継続的に配信することが可能となります。ショート動画作りのネタとして参考になれば幸いです。

①さまざま視点から複数のショート動画で会社を紹介

会社紹介動画は既に制作している企業様は多くなりました。一般的な構成としては、視聴者の興味を引くイントロダクションから始まり、会社のビジョンとミッション、パーパスの紹介から事業内容や製品紹介、どのようなお客様に役立っているのかなどを中心にコンテンツを組み立てます。

企業ごとに強みのアピール方法や独自コンテンツでインパクト作りに工夫されていると思います。

そのコンテンツをもとに、ビジョン、ミッション、パーパス部分のみを動画コンセプトとして、入社半年で感じる当社のビジョンと実際の職場環境について社員の感想を1分程度の動画にしたり、細かい部分では、オフィス内で最も好きな場所、気持ちをリセットできる場所の紹介を社員ごとに複数の動画にするなど、会社紹介動画内には含まれない別の視点や細部の紹介をショート動画にすることで、コンテンツネタが一気に広がります。

②この会社に入社した自分をイメージできる仕事紹介

一般的な仕事紹介動画では、営業職や技術職といった職種ごとに紹介されるコンテンツが多いと思いますが、就活生や転職希望者に対して入社後の自分をイメージできる仕事紹介コンテンツを企画するには、個人にフォーカスして詳細を伝える発想が重要です。

例えば、営業職の中でも、入社1年目の営業社員が紹介する現場リポート、入社3年目の営業社員が紹介する成長のステップ、営業部リーダーが紹介する部下とのコミュニケーションで大切にしていることなど、組織階層ごとの個人にフォーカスしてショート動画で伝えることで、会社の風土や職場環境を含め、入社後のイメージが時間軸で自分ごと化できるようになります。

もちろん部長職や取締役までミドルマネジメントからトップマネジメントの方にも登場していただき、ご自身のキャリア形成やマネジメントの考え方を伝えることも効果的です。

③先輩社員の成功・失敗体験をショート動画で

就活生に企業情報で詳しく知りたい内容をアンケート調査すると、必ずと言っていいほど「具体的な仕事内容」が上位にあります。

さまざまなリクルート媒体記事にこのようなアンケート結果が掲載されますが、具体的な仕事内容とはどのようなコンテンツを提供すればよいでしょうか?

よるあるコンテンツとしては、職種ごとに先輩社員へのインタビュー形式で仕事内容を紹介するケースですが、もう一歩踏み込んで「仕事を行うことで発生した成功体験と失敗体験」、さらには「そこからどのような気づきを得て成長に繋がっているのか」を成功体験編、失敗体験編として職種ごとにショート動画で発信します。

動画コンテンツを企画する段階で、社員の方へ成功体験や失敗体験をヒアリングすると、けっこう笑える体験談が見つかります。そのような場合、動画タイトルもインパクトがある表現が生まれ、訴求力の高い仕事内容紹介コンテンツとなります。

④メリットを得ている社員が紹介する福利厚生

福利厚生についても就活生が知りたい情報のアンケート結果で上位にあがる項目です。

しかしほとんどの企業において福利厚生の紹介方法はWebサイト内で一覧掲載し、画像とテキストで紹介していると感じます。

充実した福利厚生を掲載していても、それをどれだけの社員が活用できているのか、活用しやすい環境にあるのかという点が重要になります。

例えば、子育て中の社員さんに対しフレックス制度やテレワークが可能な働き方を認めているとするならば、何人の社員さんがその制度を活用しているのか、また実際に活用中の社員さんがこの制度のメリットをどのように感じており、配偶者や家族の反応はどうなのかといったコンテンツをショート動画で紹介します。

さらにはこれから妊活を始めようと考えている社員さんの安心感を伝えることも、福利厚生の魅力をアップさせるコンテンツになるのではないでしょうか。

⑤SDGsの取り組み内容を複数のショート動画で紹介

昨今、SDGsの取り組みに注力している企業は増加傾向にあります。また就活生においてもこのような取り組みを行っている企業に対してプラスのイメージを持ち、エントリーにおいて判断材料の一つとなってきています。

企業のWebサイト内にはSDGsの取り組みページが追加され、17種類の目標に対して該当する取り組み内容を紹介していますが、テキストと画像だけでなく実際に社員さんが取り組んでいる姿をショート動画で発信してはいかがでしょうか?

例えば、社員さんに対して地域のボランティア活動の奨励やサポートを行い、地域社会への貢献を促進している場合、実際にボランティアを行っている様子や、活動に参加することにって得られる地域との繋がり、仕事とプライベートの充実などさまざまなコンテンツ制作が可能となります。

そしてSDGsへの取り組みを実施している証明にもなり、就活生にとって価値あるコンテンツとなるのではないでしょうか。

⑥社員が選ぶ好きな製品・サービスTOP3 

企業紹介動画の中で製品やサービス紹介を行いますが、ここではステークホルダー向けに満遍なく紹介するのが一般的かと思います。

しかし、個々の製品やサービスの企画から開発、営業に携わったそれぞれの社員にフォーカスすると、より深く、違った視点でコンテンツを発信することが可能です。

どういった理由からこの製品を企画することになったのか、社会課題としてどのようなことが背景にあるのか、開発段階で苦労したことや忘れられないエピソードは?

また営業フェーズにおいての失敗談やお客様からの声など、各フェーズに携わった社員さんへインタビューしてみると、新たな視点で製品・サービスの紹介方法をコンテンツ化できます。

自分が携わった製品やサービスには思い入れがあり、社員さんが好きな製品・サービスTOP3といったコンテンツ企画で、ショート動画を制作することも可能です。

⑦社員の得意技紹介(仕事&プライベート)

どのような社員さんが働いているのかを紹介するコンテンツとして、職種ごとに仕事内容や1日のスケジュール、仕事のやりがいなどをビジュアル化することが重要ですが、ショート動画コンテンツとしては、より踏み込んで社員さんの得意技を紹介するアイデアです。

採用マーケティングにおいては、採用したい人物像=ペルソナを設定することが重要です。

このペルソナにもとづき、どのようなコンテンツが就活生の琴線に触れ興味を持ってもらえるかに知恵を絞りながら、先輩社員の得意技紹介をコンテンツ化してみてはいかがでしょうか。

資料作成やプレゼンテーション、製造工程での得意なスキルなど、仕事での得意技はもちろんですが、ペルソナ内に設定した趣味から、ゴルフや野球、旅行やドライブなど社員さんの得意分野を紹介してもらうことで、就活生の共感を得るコンテンツとなりペルソナへ訴求することが可能となります。

社員さんの中にはinstagramやTikTokに自分の趣味を投稿している人もいるかもしれません。そのような方にショート動画制作の協力を依頼してみればよいのではないでしょうか。

⑧社内の人間関係をビジュアル化する社員が尊敬する人物紹介

就活生が知りたい情報で上位にあがる項目として「社内の人間関係」があります。また、社員が退職する理由として「職場の人間関係が良くなかった」が上位にあがります。

これらの項目は、職場環境や会社の将来性、評価・人事制度とも何かしらの関連性があると考えられます。

そこでショート動画のコンテンツアイデアとして、社内の人間関係をビジュアル化する「社員が尊敬する人物紹介」をご提案します。

尊敬する上司の紹介、同僚の優れた能力を紹介、また上司が自分の若い頃と比較して部下を紹介してもよいと思います。

いずれのコンテンツも美点凝視になることは間違いないですし、採用動画として制作したコンテンツが社内環境にもプラスになることでしょう。

そして、就活生に対し職場の人間関係が円滑であることを訴求するショート動画になります。

⑨インターンシップイベントレポート

2025年卒の学生から就活が変わると言われていますが、その要因の一つとしてインターンシップの定義変更があります。

従来のインターンシップは、あくまでも学生のための就業体験の機会という位置づけであり、就職活動の一環ではないと定義されていましたが、2022年に文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意のもと、2025年卒学生が参加する「就活サマー期」と呼ばれる2023年のインターンシップから採用に直結することが公認されたインターンシップへ定義が変更されました。

これにより学生にとってはインターンシップがより就職活動に重要な動きとなり、企業側にとっても採用・選考に直接つなげることができる機会として、より早期かつ重要な位置づけとして取り組む必要があります。

学生向けに魅力的なインターンシップを企画し、その内容を複数のショート動画で紹介すれば、インターンシップに参加できなかった学生に対してもバーチャル体験してもらえる機会を提供できます。

●参考情報

<【25卒の就活動向調査】2023年から始まった採用直結型インターンシップの影響は?>

25年卒学生の「就活サマー期」と呼ばれる2023年の夏期からインターンシップのあり方が大きく変わりました。インターンシップの定義変更内容とそれによって学生たちの就活動向がどのような影響を受けているのかを元Google人事が解説。「新卒採用」最前線レポート。

⑩採用に関するよくない質問と回答

企業の採用サイト内で、採用に関するQ&AやFAQページが公開されていますが、当然のことながら「よくある質問と回答」が列挙されています。

もちろん就活生向けのコンテンツとして必要ですが、ショート動画コンテンツのアイデアとして、「よくない質問と回答」をピックアップして紹介します。

「よくない質問と回答」とは、ごく少数の質問のことです。採用担当者様と就活生のやり取りの中には、Q&Aページに掲載するほどでもない少数の質問もあるのではないでしょうか?

今は多様性の時代です。さまざまな価値観を持った学生が就職活動をする中、過去の延長線上にある質問と回答だけでは、時代や価値観の変化に対応できているとは限りません。

せっかく就活生が質問してくれた内容を貴重な声として拾い、丁寧に答える姿勢を配信することで企業のイメージアップに繋がると考えます。

また、こんな質問してもいいのかと迷い、聞くことができなかった学生もいるかも知れません。少数の質問の中には、聞きにくかった情報が隠れている可能性があるのではないでしょうか。

関連支援事例

<採用戦略にWebマーケティングを融合して中小企業の人材獲得を支援>

新卒、中途採用に関わらず新たな人材獲得が難しく、採用にお困りの経営者様、採用ご担当者様、またコストや労力をかけて採用したものの、短期間で離職してしまうなど人材が定着しにくい企業様へ、Webマーケティングを活用した採用手法と人材定着のための支援事例を紹介します。

まとめ

ショート動画が効果的な背景と理由ならび採用マーケティングに活用できるショート動画アイデア10選を紹介しましたが、いかがでしょうか?

中小企業様の採用マーケティング支援を行う中で、ショート動画の活用は重要な手段の一つとなっています。

しかし、コンテンツネタが作れないことと、社内で動画制作を行うリソースが無いといった理由から着手できない企業様が多いのも事実です。

そしてもう一つ重要なポイントとして、顔出し不可!といった理由があります。

とはいっても人材不足の解決は待ったなし。これからますます採用が厳しくなることは今後の生産年齢人口(日本では15歳以上65歳未満)が証明しています。

従来の発想で立ち止まってしまうことは許されない状況にきていると言っても過言ではないでしょう。これからますます新しい発想、手段が求められる時代です。社内だけで考えるのではなく、外部パートナーとともに知恵を出し、果敢にチャレンジする採用マーケティングを支援させてください。

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